なぜマスクが必要なのか
看護師の必需品であるマスクですが、まずはなぜマスクが必要なのか、基本的な部分を紹介していきます。感染症予防に対して大きな効果を発揮するマスクは看護師に限らず多くの人が着用していますが、医療機関で働く看護師にとっては特に重要なアイテムです。
マスクの必要性
看護師が働く病院などの医療機関には病気を抱える患者さんが集まります。そのため、病気の原因となるウイルスが漂っており、患者さんのケアにあたる看護師は常に感染リスクを抱えています。感染防止対策の1つとして大きな効果を発揮するのがマスクです。マスクを着用することで感染率上昇を防ぎ、結果として安定した看護の提供へとつながります。
マスクの効果
マスクが効果を発揮するのは咳やくしゃみの症状がある場合です。風邪などの感染症では、1回の咳で10万個、1回のくしゃみで200万個のウイルスが放出されます。それらのウイルスを含んだ飛沫を防止するのがマスクの役割です。
飛んでくるウイルスから身を守るという意味では、効果の範囲は限定されます。マスクで顔を防御しても必ずわずかな隙間があるため、100%飛沫を防ぐことはできないからです。また、ウイルス自体の粒子の大きさは0.1~0.2μmですが、水分やほこりが付着する関係で最終的に5μm以上の大きさになるため、空間を漂うことなく落下するケースがあります。その場合、ウイルスが付着した衣類などから手を介して体内に侵入する可能性があるため、マスクだけでウイルスを完全に防ぐことはできません。ただし、患者さんからしぶきを直接浴びる可能性がある際には予防効果を発揮します。
院内感染予防のために必須
看護師などの医療スタッフが臨床現場でマスクを着用する基準は、厚生労働省が作成した「医療機関における院内感染対策マニュアル作成のための手引」にある「標準予防策」の項目に記されています。感染源の有無に関係なく、目や鼻などの体液から感染が予想される場合、患者さんへのケアを実施する際にはマスク着用を徹底するよう推奨しています。患者さんからの飛沫に対して身を守るだけでなく、看護師から患者さんへの飛沫を防ぐためでもあります。職業感染・院内感染防止の観点からも、マスク着用は必須なのです。
ただし、看護を実施するためにはコミュニケーションが重要となるため、常時マスクを着用するのは看護の質向上の妨げになるのではないかという意見もあります。ウイルスの運び屋になるリスクを最大限減らすために必須ではあるものの、活用方法には検討の余地があるといえます。
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