着用時のコミュニケーション
マスクは飛沫による感染リスクを減らすために必要不可欠なアイテムです。しかし、患者さんとのコミュニケーションが重視される看護の現場においては、マスクが関係性構築の障害となる可能性があります。
感情の読み違いが発生する
人間には、相手の表情から感情を読み取る能力があります。しかし、マスクが1枚あるだけで非言語コミュニケーションの要素が分断されてしまいます。例えば、感染リスクを避けるために面会や会議などの機会を減らし、なるべくデータ上でのやり取りを用いたコミュニケーションを採用している職場は多いかと思います。それによって実際の雰囲気や声のトーンなど、感情によって左右される要素を含む情報を得られず、普段と同様の対応にもかかわらず、「冷たい印象」を持ってしまいます。感情の読み違いにより誤解が生じ、関係性に悪影響を及ぼします。これと同様のことが、マスクの着用によって生じる可能性があるのです。
マスク着用時のコミュニケーション方法
コミュニケーションの分断を招くおそれのあるマスクですが、だからといって外すわけにはいきません。そこで押さえておきたいのが、マスクを着用しながらコミュニケーションを図るコツです。
まず、「大きな声ではっきり喋ること」を意識してください。マスクをするとどうしても声がこもります。普段から声量が小さく、聞き返される機会の多い人は特に注意してください。いつもより大きめのボリュームを意識し、単語1つひとつをはっきり発音しましょう。難聴の患者さんの場合、ボリュームの調整だけでは伝わらない可能性がありますので、耳元で話しかけるなどの工夫が求められます。
「目元を意識する」ことも忘れないでください。マスクで顔の大半が隠れているので、笑顔であっても目元が笑っていなければ感情が伝わりません。笑顔というと口角を上げるイメージがあるかと思いますが、口角だけでなく目元の表情筋を動かす意識を持ちましょう。本当に笑っていても目元が笑っていなければ、作り笑いをしていると誤解される可能性があります。アイコンタクトを意識して、目で感情を伝えてください。また、目元の表情だけでなく、身振り手振りを交えながら話をするのも効果的です。
表情が読み取りにくいと、患者さんは不安や不信感を抱きやすくなります。逆にいえば、表情から感情を伝えることで親しみや安心感を与えられます。利用できる非言語コミュニケーションを最大限活用しながら患者さんの看護に取り組みましょう。
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